建築業界で使用される専門用語とその説明、使用例をまとめました。
1. 図面
- 説明:建築物の形状、構造、寸法を記した設計図。平面図、立面図、断面図などが含まれる。
- 使用例:「施工前に図面を確認して寸法の誤りがないかチェックしました。」
2. CAD(キャド)
- 説明:Computer-Aided Designの略で、コンピュータを使って建築物の設計図を描くソフトウェア。
- 使用例:「設計図をCADで作成して施工会社に渡しました。」
3. スケルトン
- 説明:建築物の構造体だけが残された状態。リノベーションや内装工事の際に使われる。
- 使用例:「スケルトン状態から新たな内装デザインを施します。」
4. モジュール
- 説明:建築設計における寸法基準。日本では「910mm」(畳の一辺)が一般的なモジュール。
- 使用例:「この建物は910mmモジュールで設計されています。」
5. 平面図
- 説明:建築物の各階を水平に切断した状態を上から見た図。部屋の配置や寸法が記される。
- 使用例:「平面図を基に間取りを確認しました。」
6. 断面図
- 説明:建築物を垂直方向に切断して内部構造を表した図。構造や高さを示す。
- 使用例:「断面図を見ると、天井の高さがよくわかります。」
7. 立面図
- 説明:建物を正面や側面から見た外観を描いた図面。デザインや高さが示される。
- 使用例:「立面図を基に外壁の仕上げ材を選びました。」
8. パース
- 説明:建築物の完成イメージを立体的に描いた図。設計段階での視覚的確認に用いられる。
- 使用例:「クライアントに提案するために3Dパースを作成しました。」
9. 外装材
- 説明:建物の外壁や屋根に使用される仕上げ材。耐久性やデザイン性が重要。
- 使用例:「外装材にタイルを採用して高級感を出しました。」
10. 内装材
- 説明:室内の壁、床、天井に使用される仕上げ材。クロス、フローリング、タイルなどが含まれる。
- 使用例:「内装材には無垢材のフローリングを選びました。」
11. 配筋
- 説明:鉄筋コンクリート構造で、鉄筋を適切に配置する作業。耐久性に直結する重要な工程。
- 使用例:「配筋状況を現場で確認し、設計図通りに施工されています。」
12. 型枠
- 説明:コンクリートを成形するための仮設構造物。施工後には取り外される。
- 使用例:「型枠が正確に組まれているか現場監督がチェックします。」
13. 地盤調査
- 説明:建物を建てる前に、土地の地盤の強度や特性を確認する調査。地盤改良が必要か判断する。
- 使用例:「地盤調査の結果、柱状改良が必要とわかりました。」
14. 耐震構造
- 説明:地震に耐えられるよう設計された建物の構造。免震構造や制震構造と比較される。
- 使用例:「このビルは耐震構造なので震度6にも耐えられます。」
15. スパン
- 説明:柱と柱の間の距離。広いスパンが求められる場合、強度設計が重要。
- 使用例:「この大空間はスパンが10メートルもあります。」
16. 免震構造
- 説明:地震の揺れを吸収し、建物への影響を軽減する構造。基礎部分に免震装置を設ける。
- 使用例:「免震構造を採用したマンションが人気です。」
17. 制震構造
- 説明:建物の中に設けた装置で地震の揺れを減衰させる構造。高層建築に多用される。
- 使用例:「このタワーマンションは制震構造を採用しています。」
18. ユニット工法
- 説明:工場で作成したユニット(箱型部材)を現場で組み立てる建築工法。
- 使用例:「ユニット工法を使えば工期が大幅に短縮できます。」
19. スラブ
- 説明:建物の床や天井を構成する鉄筋コンクリートの板。耐荷重性が求められる。
- 使用例:「スラブの厚さを調整して強度を確保しました。」
20. 吹き抜け
- 説明:建物の階と階の間に壁や床を設けず、開放感を出す設計。
- 使用例:「リビングに吹き抜けを設けて明るい空間を演出しました。」
21. コア
- 説明:高層建築におけるエレベーターや階段などの共用部分が集中した構造部分。耐震性の要でもある。
- 使用例:「エレベーターを中心に配置したコア設計になっています。」
22. バルコニー
- 説明:建物の外部に張り出した床部分。住居の外部空間として使われる。
- 使用例:「南向きのバルコニーで洗濯物がよく乾きます。」
23. ロフト
- 説明:建物内部に作られた中二階のような空間。収納や居住スペースとして利用される。
- 使用例:「狭い空間を有効利用するためにロフトを設けました。」
24. トラス構造
- 説明:三角形を基本とした構造形式。軽量で高い強度を持ち、大空間を実現するのに適している。
- 使用例:「体育館の屋根はトラス構造で設計されています。」
25. モルタル
- 説明:セメント、砂、水を混ぜ合わせた建材。壁や床の下地や仕上げに使用される。
- 使用例:「外壁の仕上げにはモルタルを使用しました。」
26. プレキャストコンクリート
- 説明:工場であらかじめ作られたコンクリート部材を現場で組み立てる方式。
- 使用例:「プレキャストコンクリートで施工効率が向上しました。」
27. ラフタークレーン
- 説明:建築現場で使用される移動式のクレーン。狭い現場でも作業が可能。
- 使用例:「ラフタークレーンを使って資材を搬入しました。」
28. 躯体(くたい)
- 説明:建物の基礎や柱、梁などの構造部分。仕上げ前の段階を指す。
- 使用例:「躯体工事が終わり、内装に取りかかります。」
29. グレーチング
- 説明:排水溝の蓋などに使われる格子状の金属製部材。歩行可能で通気性も良い。
- 使用例:「駐車場の排水溝にグレーチングを設置しました。」
30. シーリング
- 説明:建物の隙間を埋めるための防水材。雨漏りや気密性の向上に寄与する。
- 使用例:「窓枠の周りにシーリングを施しました。」
31. サッシ
- 説明:窓枠やドア枠に使われる金属や樹脂製の枠組み。アルミサッシが一般的。
- 使用例:「サッシの素材を断熱性能の高いものにしました。」
32. ピロティ
- 説明:建物の1階部分を柱だけで支える構造。駐車場や開放空間として利用される。
- 使用例:「マンションの1階はピロティ構造になっています。」
33. 床暖房
- 説明:床面から部屋を暖める設備。快適性が高く、寒冷地で人気。
- 使用例:「リビングに床暖房を設置しました。」
34. インフィル
- 説明:スケルトン構造の建物で、内装や設備の部分を指す。自由度が高い設計が可能。
- 使用例:「スケルトン&インフィルのマンションを選びました。」
35. 空調設備
- 説明:建物内の温度や湿度を調整するための設備。エアコンや換気システムが含まれる。
- 使用例:「空調設備を最新の省エネモデルに変更しました。」
36. ファサード
- 説明:建物の正面部分のデザインや外観。建築物の印象を決める重要な要素。
- 使用例:「ガラス張りのファサードが特徴のビルです。」
37. 屋根勾配
- 説明:屋根の傾斜の角度。雪や雨の排水性能に影響する。
- 使用例:「積雪に備えて屋根勾配を急に設定しました。」
38. 防水シート
- 説明:雨水の侵入を防ぐために使用される建材。屋根や壁に貼られる。
- 使用例:「屋根に防水シートを設置して漏水を防ぎます。」
39. スマートハウス
- 説明:省エネや効率的な家電操作を目的にIoT技術を活用した住宅。
- 使用例:「この家はスマートハウス仕様で電力を最適化しています。」
40. 建築基準法
- 説明:日本の建築物に関する法律。安全性や衛生面、環境保護を規定する。
- 使用例:「設計が建築基準法に準拠しているか確認しました。」
41. ユニバーサルデザイン
- 説明:年齢や障がいの有無にかかわらず、誰もが使いやすい設計手法。
- 使用例:「ユニバーサルデザインを採用し、手すりを設置しました。」
42. トップライト
- 説明:天井部分に設けられた窓。自然光を取り入れるための設備。
- 使用例:「トップライトで室内に明るさを取り入れました。」
43. ボイド
- 説明:建物内部に設けられた吹き抜けや空間。視覚的な開放感を生む。
- 使用例:「エントランスにボイドを設計しました。」
**44. コンクリートブロック】
- 説明:建築用に成形されたコンクリート製のブロック。外構や小規模な壁に使用される。
- 使用例:「庭の仕切りにコンクリートブロックを使いました。」
45. コンパネ
- 説明:コンクリート型枠用の合板。施工後に取り外し可能。
- 使用例:「型枠にコンパネを使用しました。」
46. セントラルヒーティング
- 説明:建物全体を一元的に暖房するシステム。寒冷地で特に採用される。
- 使用例:「このビルはセントラルヒーティングで暖かいです。」
47. 防火壁
- 説明:火災時の延焼を防ぐために設けられた壁。建築基準法で規定されている。
- 使用例:「隣地境界に防火壁を設けました。」
48. フロアヒンジ
- 説明:ドアの開閉を支えるために床に埋め込まれた金具。重量のあるドアに使われる。
- 使用例:「エントランスドアにフロアヒンジを採用しました。」
49. パーティション
- 説明:室内を区切るための可動式の仕切り。オフィスや会議室に使用される。
- 使用例:「会議室をパーティションで分割しました。」
50. アクセスフロア
- 説明:配線や配管を床下に収納するために設けられた二重床構造。
- 使用例:「オフィスにアクセスフロアを採用して機能性を向上しました。」
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